
自分の認識と人から言われる事に多少なりとも認識の違いを覚える。
そりゃまぁ十人十色、色んな考え方があるのも理解はできる。
オレは自分を頑固なタイプだとは思わないからそういう”人の意見”は聞けるタイプではある。
ただどうにも「それは違うよ」と思ってしまう事が多少あるので、そんな認識の違いを書いてみる。
「歌える」と「音が出る」
1.出せればOKではない
オレの持ち味の一つに ”高音ボイス” が出るっていうのがある。
いつの頃からか女性並、もしくはそれ以上に高い声を出せる事がステータス化してきてる男性ボーカル。
オレもまぁ世の中にある人間が歌っている曲であれば大概の曲は出せるとは思う。
ただここでポイントになってくるのは、高い音が出せる=(キーが)高い曲が歌えるではないという事。
例えばボーカロイドの曲で「ロストワンの号哭」という曲がある。
聞けば一目瞭然、かなりキーの高い曲。
まして男がこの曲を歌うとなるとかなりキツイと思う。
オレもこの曲を歌うのは正直しんどい。
結構オレのキーギリギリの高さなんでね。
ただ、なんの準備もしないで突然「はい歌ってください」と言われれば普通に歌う事は出来るよ。
そうすると大体の人は「歌えてる」と認識するんだけど、実はそうじゃない。
上記のような状態は声が(音が)出ているだけで歌として成り立ってないというのが正しいんだよね。
2.例えるなら料理

オレの好きな食べ物の中に「まぐろ」がある。
特に好きなのはお寿司で頂くこと。赤身が好きさ!
この赤身も当然そのままでも美味いんだけど、漬けにしても美味しいし、ネギとと一緒にして叩いても美味い。
更には火を通しておろしダレかけて食べるマグロステーキなんかも最高さ!
歌もこれと同じで歌を原曲通りの音で出す事はマグロの寿司を食べている事とほぼ一緒。
素材本来の味を楽しんでる事になる。
もちろんいいんだよそれでも。
ただ、調理法を変える(歌い方を変える)、薬味やソースを加える(アクセントや表現を加える)等をした結果、
素材そのものの旨味を引き出す(歌の魅力を引き出す)事が出来た方が、より多くの人に共感されたり、支持されたりすると思うんだ。
まぐろのお寿司美味しいけど、ずっと食べ続けてたら流石に飽きるんじゃない?
というかそもそも生もの食べられない(曲調やジャンルが苦手な)人だっているじゃない?
それだったらお寿司以外の調理法を知ってた方が、こうすると美味しいんだぜ!って伝えられるでしょ。
そういう知識は多角的見解を持ってる人って素敵だなと思うんだ。
「覚えた」と「身に付いた」

1.腹式呼吸で考える
これも良く勘違いされがちなんだけど、何か新しい技術を覚えたとするじゃない?
まぁなんでもいいんだけど、例えば複式呼吸。
ボーカルトレーニングでもスポーツでも、体を使う事と切っても切り離せないこの腹式呼吸を初めて覚えたとする。
鼻から吸った息がしっかりと丹田(へその辺り)に入っていくイメージをして、吸いきった息をゆっくりと口から吐いていく。
どの教則本・動画を見ても大体同じような事を言ってるのでそこまで難しくないと思われがち。
ただ!
たった今出来るようになったものをその場限りで「覚えた」と満足する考えは甘いぜ!
2.筋肉は一日にしてならず

これの例えは筋肉が一番だと思う。
想像してみよう。
体のたるみだったり、脂肪だったり、健康維持だったり、とにかく色々な理由から体を鍛える人が段々増えてきた世の中。
そんな風潮もあって筋トレを始めようと思い立ったあなた。
ランニング、筋トレ、プール通いetc…
色々やる事はあるけれど、お腹周りが一番気になるので腹筋から始めてみる事に。
調べてみると、色々な腹筋トレーニングがあるじゃないか!?
プランク、クランチ、レッグレイズ…
今まで知らなかったトレーニング方法を次々と覚えて一通り実践してみた。
そして一週間後。
自分のお腹はどうなった?
毎日しっかり「回数×〇セット」を繰り返していれば少し引き締まってきた感じする?
仕事が忙しく毎日は無理だから週末だけやってた人はどう?
何にせよ一週間で腹筋バキバキに割れました!って言う人はいないはず。
これ、実は腹式呼吸も一緒。
たかが呼吸、されど呼吸。
一度覚えたからすぐに効果が出ると思ったら大きな間違いなのだ。
毎日毎日、 「呼吸回数×〇セット」 を続けて、意識しなくても自然に出来るようになってはじめて「身に付いた」っていえる。
オレのレッスンではこの「身に付ける」事を「ボディーマッピング」って言ってるんだけど、
- 意識しながら体の部位を動かす
↓ - 毎日短時間、繰り返し練習する
↓ - 意識しなくても体の部位を動かせるようになる
↓ - ボディーマッピング成功!
ここまできて初めて次のステップに進めるんだよね。
ただこの事を実感させる事が中々に難しい。
筋トレと違って目に見える変化が少ないから、真面目に取り組まない・重要視しない人が多いのが事実。
困った。
これが出来ないのに上半身ばかり鍛えたがる(高音出したい、ビブラートかけたい、デスボ出したい等)人が多いんだよねー
そういう人にはチキンレッグになるぞ!(バランス悪いの意。)って言いたい。
伝わるかなぁ…
まとめ

- 高い音が出せる=(キーが)高い曲が歌えるではない
- 素材そのものの旨味を引き出す(歌の魅力を引き出す)事が大事
- まぐろは美味い
- 「覚えた」はその時その瞬間のみの短期的なもの
- 「身に付いた」は永続的な財産になったもの
- ボディーマッピングをしまくろう
- ナイスバルク!
今回は歌の事に特化して書いたけど、こういう事って世の中に多々あると思うんだ。
いちいち全部に反応してたらただの「怒りんぼ」で面倒くさいやつになっちゃう。
でもどうしても「そこだけは譲れねぇ!違うんだよ!」ていう時だけはキチンと言うようにしてる。
自分で「大事だなって思える感情」と「大事にしたいなって人」にしか言わんよ。
常に自分に正直に。
これがオレの生きる路!!
それでは皆さん楽しいボーカルライフを!!
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